異形の神々の森
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公開日 | 2019.4.1 |
制作 | 藤田泰彦 |
バージョン |
内容紹介
私、島崎は会社の意向で急遽東京から東北に仕事で行くこととなった。仕事はリフォーム業で、自分が所属する社はその他にも建築業などをも請け負っているのである。私は独身で、この度の仕事で東北M郡にあるワンルームマンションをあてがわれ、そこで2ヶ月ほど寝泊りする事となった。実際その近辺には飲食店は無く、そんな事から近所を散策しがてらスーパーを探す。すると程なく小さな個人経営らしいスーパーを見つける。早速そこに入ると、自分にとっての必要な食料品はあるのであった。と、1人の従業員とも思える若い女性が現れる。清楚な雰囲気の整った面立ちである。私はそこで買い物をして店を後にしたが、何か不可解なものを感じてしまった。その女、どこかごく一般の女性と異なるものを感じさせた。それがなんであるか、どうにも言語化しがたいのでもあるが。
それからその赴任先での休日、東北支社が誂えてくれたスクータで、同地にある森に行ってみる。森の中に小振りに社(やしろ)があるので、参拝すると、そこでは異形の三つ頭の弁財天像が安置されている。しかもその怪異ですらある神像は言葉をも発して、私のかねてからの願い、この世に誕生しなかった事にして貰(もら)いたいという事を実現してくれると言い、己(おのれ)はうっかりそれに成り行きみたいにして同意してしまった。が、それから後になってから、それは恐ろしい事でもあると思い改め、撤回を望むのであるが、どうにも出来ないようである。すっかり困ってしまった私はスーパー唯一の店員、叡巫(えいみ)という女にその実情を伝えると、彼女は自らが精霊と人間との間に生まれたハイブリッドな存在である事を告げ、どうにか助けてくれると言う。又、あなたの汚された心を清浄にする事が出来ると。それで私は、彼女に付き従うみたいに、精霊界と娑婆の境にある家へと招待されるみたいにして赴くのであった。
著者について
北海道出身。都内、中野区に在住して30年。
古神道、仏教、道教、東アジアのシャーマニズムを信奉し、アニミズムを日々の心のより所にしている。
著書:『蝉神』(2008年・鳥影社)、『古代神の目覚め』(2014・青山ライフ出版)
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